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AVS/Express VizによるGaussian03の計算結果の可視化方法

なお、以下では AVS/Express Viz を AVS と表記します。

可視化に必要なファイルおよび修正

必要なファイル

Gaussian 03 の出力ファイルを使って可視化を行います。 また、可視化の対象によって必要なファイルが異なります。

  • 分子構造を可視化したい場合: Gaussian 出力結果ファイル(拡張子:.log)
  • 分子軌道・静電ポテンシャル・電子密度を可視化したい場合: Gaussian Cube ファイル(拡張子:.cube)

拡張子が異なると AVS でファイルを正しく読み込めませんので注意してください。

Cubeファイルは、GaussViewで Cube を作成後、ファイルに保存することで Cube ファイルが得られます。
あるいは Gaussian 付属コマンド cubegen で直接 Cube ファイルを作成することもできます。

Cubeファイルの修正

Cubeファイルを利用する場合、Cubeファイルの2行目に対して以下の修正を行ってください。
なお、この修正はGaussian03の場合です。

種別分子軌道静電ポテンシャル電子密度
変更前MO coefficientsElectrostatic potential from Total SCF DensityElectron density from Total SCF Density
変更後SCF Molecular OrbitalsSCF Total DensitySCF Total Density

alpha spin density, beta spin density においても電子密度の場合と同様に修正してください。

アプリケーションの作成と表示例

以下では、出力ファイル(sample.log)と 2種類のCubeファイル(分子軌道 sample_MO.cube、静電ポテンシャル sample_esp.cube) を読み込んで、分子可視化を行う方法を具体的に示します。AVS の使い方などについては、AVS/Express のマニュアルや講習会資料等を参照ください。

分子軌道と分子構造の可視化例

分子構造と分子軌道を表示する例を以下に示します。

分子可視化のためのファイルを読み込むモジュール(Read Gaussian Log, Read Gaussian Cube) をワークスペースへ移動(インスタンス)します。 これら2つのモジュールは、KGT Libraries に含まれています。
(最後の単語が隠れてしまっていますが、左図の上が Read Gaussian Cube, 下が Read Gaussian Log です。)


次に、下図のようにネットワークを組み、出力結果ファイルおよびCube ファイルを読み込みます。

モジュール: Read Gaussian Log (KGT/Data IO)   出力結果データ読込 
            Read Gaussian Cube (KGT/Data IO)  Cubeデータ読込
            set minmax (Main/Filters)         データ範囲指定
            isosurface (Main/Mappers)        等数値面表示

データ    :sample.log
            sample_MO.cube

ネットワーク表示例

モジュール isosurface を2つ使い、絶対値が同じで正負が異なる2つの等数値面を表示しています。表示例では、iso level が ±0.04 の2つの等数値面(色は青・橙)となっています。

また、分子構造の表示では、結合の表示は常に単結合となってしまいますので、ご注意ください。

静電ポテンシャルと分子構造の可視化例

分子構造を表示させつつ、ある面上で静電ポテンシャルを表示する例を以下に示します。

下図のようにネットワークを組み、出力結果ファイルおよびCube ファイルを読み込みます。

モジュール: Read Gaussian Log (KGT/Data IO)   出力結果データ読込 
            Read Gaussian Cube (KGT/Data IO)  Cubeデータ読込
            set minmax (Main/Filters)         データ範囲指定
            orthoslice (Main/Mappers)         等数値面表示

データ    :sample.log
            sample_esp.cube

ネットワーク表示例

もし面塗りつぶしコンターの色が一色になってしまう場合には、set minmax モジュールにてデータ表示範囲を絞ってみてください。この例では、min value と max value はそれぞれ -0.1 と 2.0 で表示しています。

静電ポテンシャルと分子構造の可視化例(2)

2つの直行する面において、1つは等数値面、もうひとつは等数値線で静電ポテンシャルを表示する例を以下に示します。

下図のようにネットワークを組み、出力結果ファイルおよびCube ファイルを読み込みます。

モジュール: Read Gaussian Log (KGT/Data IO)   出力結果データ読込 
            Read Gaussian Cube (KGT/Data IO)  Cubeデータ読込
            set minmax (Main/Filters)         データ範囲指定
            orthoslice (Main/Mappers)         等数値面表示
            isoline (Main/Mappers)            等数値線表示

データ    :sample.log
            sample_esp.cube

ネットワーク表示例